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やる気を引き出す

隠岐養護学校長 赤山克司  

 前回、「読書に親しむ」の中で脳科学者 池谷裕二さんの「やりはじめないと、やる気はおきない」という言葉を引用しました。引用しただけでしたので、少々説明をいたします。

 池谷さんは、口角を横に引っ張る動作、つまり笑った顔に近い表情を作ると楽しい気持ちになりやすい。布団から出るから、眠気が覚める。眠いからと布団の中に居ると眠気はさめない。そんな事例を紹介しています。

 では、やり始める動作をスムーズに行うためには、何が必要でなのでしょうか。

 先日、調理の学習を見ながら、やはり、経験した回数が「やりはじめ」をスムーズに行うには必要だと感じました。    野菜を洗い、皮をむき、料理に適した大きさに切る。一つ一つの動作はぎこちないですが、昨年の様子と比べるとスムーズでした。そして、楽しそうにも見えました。「やる気」が伝わってきたわけです。

 経験値を増やしていくことが「やりはじめ」をスムーズにするのですが、すべての活動の経験値をあげることは、学校では困難です。

 すべての行動に共通する「やりはじめ」は何か?卒業までの時間でできるようにするためには、そんな問いが大切だと思います。

 現時点で、「やりはじめ」を鍛えるには、単純に運動だと考えています。単純に走る。雑巾がけをする。部活動でサッカーをする。とにかく体を動かす活動を意識的に取り入れることが大切だと考えています。

 「姿勢を良くして」と注意しても、姿勢を保ち続ける筋力がなければ、姿勢の維持は難しいものです。「早く歩いて」と言われても、普段ゆっくりしか歩かない人には困難なことです。

できないことを、「やる気」の問題とせず、「やりはじめる」部分に着目することは、子どもに、必要のない叱責を与えないことにつながるかもしれません。

 次回は、座り方が学習意欲を左右するという予備校の先生の話を紹介しながら、体とやる気の関係について記していきます。