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2017年12月アーカイブ

同僚性について(5) 助言より傾聴

同僚性について(5) ~助言より傾聴                         

隠岐養護学校 赤山克司

 10月の職員会議で同僚性について、次のような話をしました。

 経験のあるものが、助言をするということは、一般的には推奨されていることだと思います。 ただ、周囲からみて良い助言であっても、聞くひとが、その時点では理解できないということは当然あることです。そして、よくわからないために、助言通りに対処できないことも起こりうることです。

 よかれと思ってした助言が生かされない場合、相手への失望や不満が生まれる可能性があります。そのような意味で、助言には人間関係に悪影響を与えるあやうさがあるのです。

 「ともに学び合う関係」=同僚性を高めるためには、気づいたことをすぐに助言するのではなく、相手が何に困っていて、どう考えているのかをまず聴いてください。そうして、相手の思いを確認した上で、一緒に課題の整理をし、対処方法を語り合ってください。

 以上のような説明をしたわけですが、本当に「分かる」には、時間がかかるものであることを、先生方に感じてもらうために、森下典子さんが自分の茶道経験について書いた「日日是好日」の一節を紹介しました。 日々の積み重ねの大切さもつたわってくる、味わいの深い文でもあります。折に触れて、引用したいと考えています。

以下引用です。  

「20歳のとき、私は「お茶」をただ行儀作法としか思っていなかった。鋳型にはめられるようで、いい気持ちがしなかった。それに、やってもやっても、何をしているのかわらなかった。一つのことがなかなか覚えられないのに、その日その時の気候や天候に合わせて、道具の組み合わせや手順が変化する。季節が変われば、部屋全体の大胆な模様替えが起こる。そういう茶室のサイクルを、何年も何年も、もやもやしながら体で繰り返した。  

 すると、ある日突然、雨が生ぬるく匂い始めた。「あ、夕立がくる」と、思った。  

 中略  

 どしゃぶりの日だった。雨の音にひたすら聞き入っていると、突然、部屋が消えたような気がした。私はどしゃぶりの中にいた。雨を聴くうちに、やがて私が雨そのものになって、先生の家の庭木に降っていた。  

 「生きている」って、こういうことだったのか!  ざわざわと鳥肌がたった。  

 お茶を続けているうち、そんな瞬間が、定額預金の満期のように時々やってきた。何か特別なことをしたわけではない。どこにでもある20代の人生を生き、平凡に30代を生き、40代を暮らしてきた。  その間に、自分でも気づかないうちに、一滴一滴、コップに水がたまっていたのだ。コップがいっぱいになるまでは、なんの変化もおこらない。やがていっぱいになって、表面張力が盛り上がった水面に、ある日ある時、均衡をやぶる一滴が落ちる。そのとたん、一気に水がコップの縁を流れ落ちたのだ。」「日日是好日」P5 新潮文庫

2学期終業式 校長から児童生徒へ

平成29年 2学期終業式 おはなし                               

赤山克司 

 おはようございます。

 長い2学期が終わります。フレンズ宿泊学習、サッカー大会、隠岐養護まつり、発表会、 そして現場実習など多くの活動をしましたね

 この前行った学校生活についてアンケートを教頭先生がまとめてくれました。 それによると、 「学校の勉強や生活をとおして、昨年よりできることが増えたと思いますか」という問いに、ほぼ全員のみなさんがそう思うと答えていました。 またすべての人が「学校の勉強は将来に役立つ」と考えていました。

 宿泊学習や、祭りなどいろいろな活動を一つ一つやり終えると、「できること」が増えたと感じられて、やればできるという自信につながった結果かなと考えています。

 来年もこうであるよう、先生方と児童生徒の皆さん全員で取り組みましょう。

 さて、冬休み何をして過ごしますか?ゲームですか?テレビですか?テレビでよくクイズ番組をやっていますが、びっくりするほどものを知っている人がいますよね。 すばらしいですが、最近私は、「毎日のことを丁寧に繰り返すことができる人」が素晴らしい人だなと思うようになりました。

 皆さんの先輩は休まず丁寧に仕事をつづけていることで、会社に大切にされています。そのおかげで皆さんの活動の場は広がってきています。 先輩からみなさんにつながり、皆さんが後輩につないでいく。そんな流れがつくりたいなと思っていますから、1学期にいったことをもう一度繰り返します。

 人にあったらまず挨拶

 人との距離は遠すぎない ちかすぎない 手の幅

 仕事がおわったら、片づけ

 「あいさつ、手の幅、後片付け」これを身に着けて、きもちよく生活していきましょう。

 では、早寝早起き家の手伝いで、よい年を迎えてください。

同僚性について(4)異学年との交流

同僚性について(4)異学年との交流

島根県立隠岐養護学校長 赤山克司   

 平成29年度、隠岐養護の新入生は、小学部1名、中学部1名、高等部2名。例年に比べても、少人数でした。

 一人一人に応じた教育活動を行える利点がありますが、学年だけで集団的な活動を行うことができません。その点を克服するために、「児童生徒が学びあい、育ちあえる異年齢活動を展開する」を経営方針に掲げ取り組んでいます。

 具体的には、中学部1年の男子は、体育祭などの行事で、高等部に入って活動をしていますし、小学部1年男子は中学部3名との活動を日常的に取り入れています。

 高等部の生徒が、小学部児童の遊び道具を自分たちで考え作成する学習活動も行っており、異なる学年相互の関わりを増やすことで、学年に応じた役割を果たし、年齢相応の生活態度を身につけられるよう工夫をしています。

 教員にとっても、小学部から高等部までの児童生徒を通してみていけることは、貴重な学びの機会であると考えています。貴重な学びの機会を活用できるよう、授業に対する研究協議、各種でのグループワークなどで、異なる学部学年の教職員による話し合いを取り入れています。とはいっても、そのような機会は、一ケ月に何度も行うことはできません。研修に限らず、学校のあちこちで学部を越えた話し合いがなされるような雰囲気をつくるためにも学年を超えた教員の活動を増やしていくことが肝要だと考えています。

 本校では、部活動がよい機会となっています。本校高等部の部活動は、4月の全隠岐陸上大会、9月の特別支援学校6校での総合体育大会でのフットサル、11月の隠岐駅伝、3月の隠岐高校とのバスケットボール交流会を目標にして、競技内容を変えながら年間を通して実施しています。

 生徒数が少ない本校で、ゲーム形式の練習を行うには、教職員の参加が必要です。夏のフットサル練習には、教頭先生や小中学部の先生方も参加し、熱の入った練習を積み重ねました。教員にとっても、スポーツをしながら生徒の課題を把握し、そして成長を共有できる機会となっており、ともに支えあい、学びあう関係作りに役立っています。

 次回は、同僚性を高めるために、職員会で話をしたことについて記していきます。

 

 

同僚性について3 子どもたちの「よさ」を知る

同僚性について3 子どもたちの「よさ」を知る

                    隠岐養護学校長 赤山克司

 隠岐養護学校では、授業を担当する先生方全員が一つの職員室におり、机を小中学部、高等部1年、2年、3年の四つのグループごとに配置しています。

 小さな職員室なのですが、席に座ったままですと「他の学年が何をしているのか分からない。」「どういう生徒かよく知らない」ということが、残念ながらおきてしまいます。

 子どもたちは、校内で活発に活動していますので、すべての児童生徒の姿を、先生方は日々目にしています。しかしながら、「どんな活動をしているのか分からない」のでは、「昨日がんばったね」等と声掛けすることは難しくなります。

 また、「その生徒のことをよく知らない」と思っていたら、目にした子どもの姿をどう判断してよいか分からず、大切な情報であったとして、他の学年の先生にすぐ話すとはなりにくいと思われます。

 ですから、他学年の児童生徒・活動について、教職員皆で「知る」機会を増やすことは、「ともに支え、ともに学びあう関係」=同僚性を育むために必要不可欠のことだと考えています。

 そのために、児童生徒の情報、それもできるだけ、成長が感じられる「よい情報」、子ども本来の「よさ」が伝わる情報を共有する機会を、職員朝礼の時間に設けています。

 「きらりの日」と名付けられたこの取組は、平成25年度以降継続されているもので、火曜日は小中学部、木曜日は高等部から、児童生徒の「よい姿」=「きらり」が発表されています。

 この取組は、発表する先生が、ここ一週間の子どもたちの活動をふりかえる機会にもなってもいます。発表内容によっては、朝礼後先生方からつっこみが入れられることもあり、子どもについて、指導についての意見交換を活発にする効果があると感じています。

 次回は、小中学部・高等部の学部を超えた活動について記していきます。

同僚性について(2) 研修を生かすには

                              平成29年12月9日 赤山克司  

「なぜ、この生徒は突然きれるのだろう?」「集会の前になると隠れるけど、どうしてだろう?」と疑問に感じる子どもたちの言動に日々出会います。言動に対する疑問を「もしかして・・・」と推測しながら観察し、生徒に応じた関わり方を探り当てるというのが、よりよい生徒との関わりをするための基本だと考えます。  

困ったことに、「なぜ?」と思う言動が多発すると、疑問をもつ余裕を失い、課題がある言動をとにかく止めるために、厳しく注意。その注意が、行動の変化につながらないと、「もっとみんなで毅然として厳しく」と向かっていくおそれがあります。  

そのような張りつめた状況をときほぐし、生徒に必要な手だてを適切に導き出せるようにするために、学びの機会である研修を定期的に実施しています。  

29年度は、松江少年鑑別所の黒川潤先生、鳥取大学の三木裕和先生、和歌山大学の武田鉄朗先生を、本校にお招きしました。 三名の先生方の講義に共通することは、「こどもたちは困っている」という視点でした。併せて、「すべての言動には理由がある」とも強調されました。  

最初に書いたように、先生方が語られたことは、生徒の見方の基本ですから、研修以前から本校の教職員誰もが知っており、実践しようとしているものでした。しかし、日々の様々な出来事の中で、その意識が薄れてしまう時が発生してしまいます。  

 研修で学んだ見方、すでに知っていることを日々の実践に定着させるためには「なぜ?」という疑問をもとに「生徒は何に困っているのだろう」と考えることが必要です。ですから、疑問をだしやすい職場環境を作っていくことが極めて重要になってくるわけです。  

職場環境づくりでポイントは、やはり「同僚性」だと考えます。「自分はこう思う」にとどまらず、「あなたはどう考えているの?」というキャッチボールが日常的にあれば、「なぜあの子は、姿を隠すんだろう?」という疑問を口に出しやすくなると考えるからです。 加えて、口に出したつぶやきを、そばの人が、「あの集会の前にも隠れた。ほかにどんな時にそうなるんだろう」と拾ってくれれば、そこで「ともに学ぶ」が実現しているのです。  

本校は、小規模校の利点を生かして、児童生徒について、教職員全員が知る機会を頻繁に作り、「ともに支えていこう、学んでいこう」としています。このことについて次回記します。  

同僚性について(1)

                                 平成29年12月1日  

                                 隠岐養護学校校長  赤山克司

保護者・生徒及び教職員による学校評価アンケートを実施する時期となりました。

隠岐養護学校では、教育活動を進めていく中で「同僚性の向上」が図られるよう取り組んできており、教職員の評価項目に「同僚性の向上」をあげています。

「同僚性」とは「お互い支えあい、学びあう関係性」を意味しています。

「同僚性の向上」を図るため、年度初めに、先生方にお願いしたことは、「アドバイスや助言をする前に、しっかり話を聞きましょう」「できれば一緒に活動しましょう」ということでした。

アドバイス・助言が必要な場面があることは承知の上で、あえて「まずしっかり話を聞きましょう」とお願いした理由は、次の二つでした。

1 自分と相手とは異なっているから。また、方法は一つではないから。   自分にとって有効な方法であったものでも、経験・学習歴などが異なる相手にも有効とは限りません。一つの方法ではなく、他の方法を探すためにも。まず「何にこまっているか」、「どうしたいのか」をきくことから始めることが大切だと考えています。

2 安易なアドバイス、助言は人間関係を固くし、息苦しさにつながるから。   アドバイス、助言をした人は、そのアドバイスが実行され、効果がでることを期待するのは、人の情だと思います。うまくいけばよいのですが、うまくいかない場合、相手の取組に問題があると考えてしまうこわさが付きまとうものです。その状態は、人間関係に小さなひびが入り始めているきざしのように思えます。 安易なアドバイス、助言は「お互いに支えあう、学びあう」という状態につながるものではないので、まず、聞くことをお願いしたいわけです。

 小規模校である本校の教職員集団には、「お互いに支えあう」関係性があると感じていますが、常に気を付けていないと、崩れやすいものでもあると考えています。

 次回は本校の研修に触れながら同僚性について記していきます。

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