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三刀屋高等学校
教頭   長野 博

 今年の10月9日、木次のチェリバホールで本校の卒業生会である雲南会の総会がありました。100名以上の方にお集まり頂き、総会、アトラクション、懇親会と進行していきました。今年のアトラクションは8月に東京国立劇場上演を終えたばかりの演劇部による「水底平家」でした。さすが全国代表と思わせる迫力ある演劇で、来場された方々から多くのお褒めの言葉をいただきました。
 一方、11月13日には東京支部総会が開催され、本校事務局から4名で参加してきました。ここでも50名を超える卒業生の方々の参加を得て盛会でした。三刀屋高校と地域の現在の様子を写真に撮って持って行き懇親会で上映しましたが、近年帰省しておられない年配の方々にとっては、記念館以外初めて見る建物、風景ばかりだったようです。どちらの会でも、参加された方々が卒業後何年たっても母校の三刀屋高校に誇りと愛着を持っておられることに感慨ひとしおでした。

 私は三刀屋高校の卒業生ではありませんが、かつて母校に勤務していた頃の卒業生会の事務局を担当していました。中学校教師としてスタートした私は高校の校務に卒業生会が大きく位置づけられていることは、始めは不思議でした。しかし、この同窓会が学校を陰に陽に支えている存在であることが少しずつわかり、とても大きな仕事であることを認識したのを覚えています。

 10月に1年生がインターンシップを行ないました。私も20ばかりの事業所を回りましたが、事業主や担当の方の中にも卒業生の方が多く、ここでも支えられていることを実感しました。また、2年生の研修旅行では東京で活躍しておられる卒業生の方を招いてお話しを聞くイブニングセミナーを開催しています。今年も東京で起業された方のお話しを伺い、生徒だけでなく引率教員の気持ちも高揚させられました。

 卒業生会だけでなく、雲南市をはじめ、地域の方々にもたくさんの支えをいただいています。雲南市には国道54号線沿いに本校への案内標識をつけていただいたり、登校路の危険箇所の修繕をしていただきました。春の全国選抜大会出場が決まった男子ソフトボール部は地元企業のグラウンドをお借りしていますし、多くの部活動がアスパルやチェリバホールなどの公共施設を使わせていただいています。また、多くの部活動で、地域の方々やOBの方々にコーチとして参加頂いていますし、吹奏楽部や美術部、演劇部などは多くの地域のイベントに招いて頂いています。そして、雲南市役所等で支援していただいている方の多くが本校の卒業生です。

 3月には毎年200名近くの生徒が卒業していきます。そしてこれらの生徒はその時から本校卒業生会の会員となり、支えられる側から支える側へ立場がかわります。親に大切に育てられた子どもがやがて親になり、自分の子どもを同じように大切に育てるといったことと同じく、生徒と卒業生会の関係は螺旋状につながっていくのです。であれば、学校は生徒に母校への誇りと愛着を、そして当たり前のように母校が存在し続けることの大切さを教えていかねばと思うのです。

 今春の島根県高校総体では男女ソフトボール部の他、女子テニス部と柔道部の生徒が個人戦で優勝し、全国高校総体(インターハイ)へと駒を進めました。男女総合成績で敢闘賞をいただきました。県総体後の報告会で私は全生徒に対し「君たちにとっては自分の部の成績が第一で、学校として敢闘賞をいただいたということは印象に残らないかもしれない。しかし、このことは記憶しておくと良い。やがてその意味がわかるようになる。」と言いました。

 何年か後、生徒が父親あるいは母親として「お父ちゃんやお母ちゃんの時代の三刀屋高校はすごかったけん。」と子どもに語る姿を期待するのです。